いざ相続!・・・でも、いろいろと準備があるのですよ。

税理士shun

2011年05月04日 11:33

「相続」・・・・・





全ての人に関係があるのだけれど、いまいちピンと来ない話ですよね。
ただ、「遺言書キット」が近年売れている所を見ると、皆さん何となく「意識」されているのかなぁ・・・などと思ったりもします。




ただ、相続税という話になると、ちょっと事情が変わって来ます。

国税庁の発表によれば・・・
平成21年中に亡くなった人(被相続人)の数は126,390人、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は7,347人で、課税割合は5.8%
との事。

たとえ相続が発生しても、相続税を納める人は全体の僅か5.8%なんですね。
つまり、殆どの人は相続税を納める必要は無いって事です。




それは何故でしょうか?
これには、相続税特有の事情があります。
専門用語で「担税力」って云うのですが、要は「どれだけ税金を払える資金(能力)があるか?」と云うことです。


「相続」と云うのは、亡くなった人が持っていた財産等を遺族が引き継ぐ事。


当然、引き継ぐ財産等の中には・・・

・先祖代々の財産
・生活資産(自宅等)
・生前、商売で使っていたもの
・残された遺族の生活資金等

単純に手放す事が出来ないモノが沢山あります。

これらについてまでまともに税金をかけてしまうと、今後の生活に支障をきたす可能性が大きいですよね?

そこで、国民感情を考慮して、かなりの部分に税金がかからない様に配慮がなされているのです。



現状では、財産の合計(資産から負債を控除したもの)が・・・


5,000万円+1,000万円×法定相続人の数


より少ない場合は税金がかからない(申告も不要)様になっております。
(これを基礎控除額と云います。)

<参考>
「資産」:現金預金、土地、建物、株式等プラスの財産。
「負債」:借入金、未払金(医療費、税金等)等マイナスの財産。
「法定相続人の数」:法律で相続する事が認められている人の数。ちなみに、配偶者(夫又は妻)は必ず法定相続人となり、以下子供(第1順位)→親(第2順位)→兄弟姉妹(第3順位)の順に相続権があります。
(詳しい事は税理士等専門家にご確認下さい)


つまり、旦那さんがお亡くなりになって、奥さんと子供2人が残された場合。
上記の計算によれば、相続財産が8,000万円までであれば、税金はかかりません。なので、余程財産がない限り、相続税はかからないんですね。
だから、実際に相続税を納める人は全体の僅か5.8%という低い割合なのです。



(現在、国会審議はストップしておりますが、平成23年度税制改正にて、基礎控除額を引き下げる案が提案されております。この案が成立した場合、基礎控除額が下がる事になるため、今までであれば相続税がかからなかったケースでも課税されてしまう可能性がありますので、今後の動向にご注意下さい)



あ。
今日は最後におまけがあります。
相続税がかかる場合であれ、かからない場合であれ、遺産の金額を計算しない事には基礎控除額との比較判定が出来ませんよね?
で、その計算(財産評価と云います)は結構複雑なので、一般的には税理士等専門家に依頼するケースが多いです。

その場合、計算するための資料がいろいろと必要になるのですが、それを一覧表にまとめたものがコレです!



(クリックで拡大します)


必要時に是非ご活用頂きたいと思います。
ただ、遺産の状況によっては必要無いものもありますが、結構ありますよね・・・
なので、こういった資料準備・評価計算等の時間を考慮して、相続税の申告は、

被相続人(亡くなった人)が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う

ことになっています。


かなり時間的には余裕があるのですが、この間、お葬式や四十九日、盆義理等との並行作業となりますので、意外とすぐに時が経過してしまいます。


「相続」は亡くなった方が遺族に残して下さった財産を承継する大切な手続きです。くれぐれも、時間的余裕を持って臨む様にしましょう。





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