いろいろとブログでお伝えしたいことが増えてきてしまっているんですけど、
「税務調査」についても書き始めたからにはキチンとおわらせないといけません
ね。それが「責任」ってもんだ
・・・という訳で。
さあ!
今回が最終回です!
前回の続きから張り切って行ってみましょう!!
税務調査のポイントの続き。ま・ず・は・・
④役員報酬
まず、数年前の税制改正で、役員報酬(社長とか取締役の給与のことです)には
重~い足かせがかけられてしまいました。
「定期同額給与」っていうんですけど、早い話が年1回、定時株主総会の時に
しか報酬改訂ができなくなってしまったのです。(一部例外もありますが)
なので、年度の途中で改訂しているような場合は
アウトd (>◇< ) になってし
まいます。もう少し詳しくいうと、年の途中で増額した場合、前の報酬との差
額は税務上、費用として認められません。そんなことがない様、顧問税理士と
も相談して、
定時株主総会のタイミングで増減額を決める様にしましょう。
もう1つ。
中小企業にありがちなんですけど、形だけ取締役にして(例えば社長の奥さんと
かお母さん等)
たいして働いていないのに高額の報酬を払っているケース。
これも調査では要注意です。この場合、調査官は同業他社2-3社の平均をとっ
て適正額を計算し、これをオーバーしていると上記同様認められないこともあり
ます。なので、
普段から妥当な金額(これが難しいんですけどね)にしておくこと
が必要です。
⑤修繕費
例えば、工場の屋根を修理した。社用車のタイヤを交換した。事務所の窓ガラス
が割れたので交換した。
商売をやっていれば、いろいろと「修理」をすることは普通にありますよね。
ただ、税務上でいう「修理」は一般にいう「修理」と少し違います。
何か固定資産を修理したとして、それが維持管理や原状回復のためになされた
ものであればOK。そうでなく、その修理によって使用期間が延びてしまったり、
価値そのものが増えてしまった場合は
アウトd (>◇< ) になります。
調査官はこの辺りをつついてきますので要注意です。
詳しく書いているとページがなくなってしまいますので割愛しますが、
修理額が
20万円未満の場合は費用にしてOKです。たとえ使用期間延長や価値増加にな
ったとしてもです。これを超える場合は顧問税理士へ相談してみて下さい。
⑥消耗品費
修繕費と間違え易いんですけど、こちらは「新規」で購入した場合。
エアコンとか、自動車とか、机とイスのセットとか。
基本的には、10万円未満であれば経費にしてOKです。
詳しいことは
以前のブログで触れていますので参考にしてくださいね。
あ、金額の判定方法ですけど、例えばテーブルとイス8脚をセットで購入した場
合、1つ1つは少額でも、
全体の金額で判定します。利用単位ごとに判定します。
だから、テーブル8万円、イス1脚3万円だとすると、1つ1つは10万円未満でも、
合計すると32万円となり、資産に計上する必要があるのです。
この辺りもよくチェックされるポイントなので、ご注意を。
⑦前払い費用
よくあるケースが、家賃や地代や保険料の前払い。
先に向こう何年分を払ってしまうことがあったりします。
税法では「期間対応」といって、
当期に対応する部分は費用でOKなのですが、
翌期以降の分については当期の費用としてはみとめられません。翌期以降の費
用とするため、前払費用(費用といっていますが、資産の科目です)として繰り延
べなければなりません。
上記の支払いをした時、全額費用にしていませんか?
再チェックしてみましょう。
但し、例外もあります。
詳しくはこちらに書いてありますが、短期前払費用
といって費用が認められるケースもあります。
⑧家事経費
これは、中小企業にありがちなんですが、店舗と住居が一体になっているケー
ス。
商売上の経費と生活費がごっちゃになっていることがよくあるんです。
例えば電気代。請求書が1つ(店舗と住居が合算されている)でそれを全額経費
にしていませんか?この場合、店舗部分はOKですけど、住居部分は住居所有
者への貸付金となってしまいます。本来、会社が払うものではなく、所有者
が払うものだからです。
電気代にせよ、水道料にせよ、最初から分けてあれば問題ありませんが、一緒
になっている場合は注意しなければなりません。
別々にしてしまうか、とりあえず会社で払って、後で本人から回収するか、い
ずれかの処理が必要になります。
⑨貸付金
会社の役員や従業員、はたまた取引先に一時的にお金を貸すことがあると思い
ます。
その時、「利息」をとってますか?また、その利率は適正ですか?
利率についてはいろいろな見解がありますが、
1つの基準はその会社が銀行か
らお金を借りている場合の金利。これなら税務署も文句は言いません。
ちなみに、科目は「貸付金」としていなくても(例えば立替金とか仮払金とか)、
貸しっぱなし同様のものは「貸付金」とみられますからね。
この辺りもよくつつかれるポイントです。
o(~o~;):ハァハァ・・!!
かなり駆け足で見てきましたけど、いよいよ最後の項目です。
⑩司法取引
いよいよ顧問税理士の出番です。
何日かの調査で、いくつかの指摘項目が出てきたとします。
ま、黙っていればその全部を訂正して、税金を再計算して納めなければなりませ
ん(これを修正申告といいます)が、指摘項目の中には、限りなく「クロ」に近いも
のから限りなく「シロ」に近いものまでさまざまなものがあるので、税理士が税務
署と交渉する場合があります。これを「司法取引」といいます。(あくまで隠語)
例えば、10コの指摘項目のうち、
「クロ」に近い5コは認めるけれども、残り5コは
「指導事項」(今回はいいけど、検討しといてね的なもので、実質見逃してくれる
もの)にしてくれとか。税金の値引き交渉ですね。(これは税理士のスタンスによ
ってまちまちです。ケースバイケースですが、強く出る時もあればそうでない時も
あります。ま、指摘項目によりけりですね。)
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
税務調査のチェック項目はまちまちで、今回書ききれなかったものもあります
が、代表的なケースを挙げたつもりです。
それでも、前編・中編・後編と3部作になってしまいましたが、
知っているのと知らないのとでは大違いだと思い、頑張って書いてみました。
この内容が税務調査のお役に立てればこれ幸いと思っとります。